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■ 最近、この方が気になります。
リトスタokayanから薦められた漫画の作者、こうの史代さん。 
彼女が描く作品に今嵌りつつあります。
彼女の代表作である、ヒロシマ被爆という悲劇に見舞われた人間の苦悩と再生を描きだした、
夕凪の街 桜の国」(双葉社)は、2004年に第8回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、
第9回手塚治虫文化賞新生賞を受賞しました。(2,007年には映画化されることも決定済みです)
穏やかな画のタッチで綴る、何気ない生活の描写を通して、読者に原爆とその後遺症の恐ろしさと悲しさ、
そしてそれらに正面から向き合おうとする人達の切なさや力強さを伝えてくれる良作です。
夕凪の街」は昭和30年の広島市の原爆スラムを舞台に、10年前に被爆して生き延びた
23歳の女性が、"悲しくも凄惨な過去の記憶"と"これから迎える非情な現実"に翻弄される姿を描き、
桜の国」においては後述の著作、「長い道」で見受けられるようなギャグ描写も織り込みながら、
男勝りな性格の被爆2世の女性が抱える心の葛藤と開放を描いています。
夕凪の街桜の国(第一部と第二部)は三つの話を読み辿る事で、三世代にわたる家族の物語として繋がっていきます。
最後に「桜の国 第二部」を読み終えた時は感慨深い物がありました。 
視点が偏る事なく、そして声高に「反核」を叫ぶでもない。 しかし見る者には確かに大切なものが伝わる。
少し日にちはズレましたが、8月という時期にこの作品に出逢えて良かったです。
(読了日は8月18日) 

この他にも僕が呼んだ著作には、
親同士が力技で決めた婚姻により愛の無いまま(?)同居する事になった、カイショウなしの壮介と
ノーテンキな道(みち)の二人が綴る、可笑しくも切ない、でもやはり可笑しい物語、「長い道」。
妻を交通事故で無くし、意気消沈したまま息子夫婦と同居を始めた参さんが、
亡き妻の遺したノートを頼りに主夫生活に取組む事で残りの人生に前向きな姿勢を見せてゆく、「さんさん録」。
両作とも一見のほほんとしたユーモラスな雰囲気の中に時折シリアスさや切なさが巧く描き込まれていて、とても素敵な作品に仕上がっていますよ。

未見の「こっこさん」や「ぴっぴら帳」も含めて購入してしまいそうですよ。
 
 
by mudaashi | 2006-08-20 23:56 | 雑記(日常)


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