前代未聞の”劇場型捜査”の幕は上がり、嘲笑と挑発に満ちた犯人からの手紙が届き始めた。
何とか犯人を舞台に引っ張り上げようとする捜査官の執念。
しかし”獅子身中の虫”の姦計により、その執念は世間と捜査本部から非難の目に晒される。
孤独な戦いを強いられつつも、起死回生の一策を投じて遂に犯人を追い詰める捜査官。
しかし終幕寸前の舞台に”6年前の悪夢”が忍び寄ってきた・・・。
「
今夜は震えて眠れ」
「
これは正義をまっとうする捜査であり、私はその担い手だ。」
再び組織とメディア、そして世間に翻弄されながらも、沸き立たせ続けた刑事の血。
絡みついたいくつもの悲しみと苦悩を抱え、それでも男は再生を果たした。
ラストに咽び泣く巻島の姿は心揺さぶります。
巻島を支える彼の家族や部下の存在にも救われました。
自信を持ってお勧めできる一冊です。