物理学の天才、湯川准教授が警察の依頼を受け、難事件のトリックを解き明かす、
探偵ガリレオシリーズ最新刊。 5編の短編を収録。
「今回の犯人のことを、僕は心の底から軽蔑している。
どういうわけで僕に敵愾心を持っているのかは知らないが、
罪も無い人間を二人も殺し、それによる脅迫効果をゲームのように楽しんでいる犯人を、
僕は絶対に許さない。 何としてでも見つけだし、罪を償わせてみせる」
先頃放送されたTVのSPドラマの原作にあたる「落下(おち)る」、「操縦(あやつ)る」を含む5編の短編集。
ドラマはかなり脚色が入っていましたので、原作はまた新鮮な感覚で読めました。
流石に、シリーズ自体が少しネタ切れ気味かなと思わせる作品もありましたが、
第5章の「攪乱(みだ)す」で展開する、湯川に私怨を持つ犯人との対決は読み応えがありました。
次にドラマ化されるとすればこの「攪乱(みだ)す」じゃないでしょうか。
でもその際は福山ガリレオが犯人に直接鉄拳制裁を奮いそうで嫌ですけど。