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■ 麻布十番 アロマフレスカ(イタリアン)
5月に初訪問した際、期待以上のその良店ぶりに感服した、「アロマフレスカ」さんに
満を持しての再訪です。
原田シェフの手掛ける美味しい料理はCPも高く、前回定番コースを堪能した僕は、
次回は必ず「Menu Stagionale=季節のコース」をいただこうと誓ったのでした。
それから再訪の時期を窺っていましたが、何かと都合の良い、誕生月の10月での訪問に
決めました。
アロマフレスカは「東京一予約の取り難いイタリアン」との触れ込みが定着しておりまして、
実際に予約から訪問するまでに約3ヶ月は掛かります。
ですから7月の時点で連絡を入れて2名の予約を取り付けたのですが、実はこの時点では
正式な同行者は決まっておらず見切り発車の状態でした。
とは言っても目星が無かったわけではなく、「食」が縁で知り合い、何度か会食した女性を
誘うつもりでいたのですよ。
しかし程なくその女性との縁は消滅してしまう事となり、同行者探しは振り出しに戻ってしまいました。

それ以降は「割り勘でも参加したい♪」と思っている知人達に片っ端から連絡を入れたのですが、悉く予定が合いません。
迫る訪問日に見つからないキャスト。 さすがに今回はキャンセルしようかとも考えましたね。
しかし! とあるBlogにて、ラインアップが切り替わったばかりの「季節のコース」を目にしてしまった僕の「食」へ情熱が再燃してしまったのです。
ポルチーニ、白トリュフ、そしてイタリアの幻の豚と言われるチンタセネーゼと、期間限定のドルチェであるナイアガラのムースなどなど、
魅力的な品々が手招いているようです。
ポルチーニや白トリュフも、今回の予約をキャンセルしてしまったら今シーズンは楽しむ事が
出来ないでしょう。 予約が取れるのはこれから3ヶ月先なのですから。
かなりの葛藤の末、僕は腹を括りました。 
・・・仕方ありませんね、相手の分も僕が全額払いましょう。   
知り合いの学生に打診しましたら「よろしく御願いします♪」との返事があり、同行者は確保。
試しに今回の支払額をざっと叩き出してみましたところ、

¥44,000也。

・・・・・・は、ははは。 ま、まぁ、同行者が可愛い女子大生なのがせめてもの救いですよ、ええ。

彼氏は居ますけどね。

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前フリが長くなりました。 いよいよレポートです。
1Fは姉妹店『カーザ・ヴィニタリア』のワインショップで、2Fの同フロアに『カーザ・ヴィニタリア』と
『アロマフレスカ』が混成という構成です。
『カーザ・ヴィニタリア』の奥のスペースが『アロマフレスカ』になっており、中庭が見えるセッティングです。
実は訪問日のギリギリまで、僕より一つ年上で、日頃からお世話になっております巨躯な社長に
同行を御願いしようかと思っていましたが、思い止まって正解でした。
ハレの日使いというこのお店の雰囲気にはやはり若くて可愛い女の子との同席が似合います。

彼氏は居ますけどね。

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コースは同席者と同じコースしか選べないシステムですから、当然「Menu Stagionale」×2
となります。
この時点で¥27,0・・・・・・コホン、今お金の事を口にするのは止めておきましょう。
グラス・スプマンテで乾杯しつつ、メニューに目を通すと「Menu Stagionale」を飾る料理に変動は
ありません。
ポルチーニも白トリュフもいただけます。 そしてメインは幻の豚、チンタネーゼです。
ただ一点、ドルチェで期間限定のナイアガラのムースはこの日ありませんでした。 
う~ん、残念です。
さて、予想通りサービススタッフから、「宜しければ~」と白トリュフのお勧めが有りまして、
その際はパスタが変更になりますとの説明がありました。
事前の調査でプラス¥4,000との情報得ていた僕は、一人分だけ白トリュフを追加して、
変更前のパスタと共に二人でシェアして楽しもうと思ったのですが、コースと同じシステムで、変更するなら同席者全員との説明を受けてさすがに暫し悩みましたよ。
まぁ、全額自分が持つと決めたのですからここで変にケチって旬の白トリュフ食べないなどというのは、無粋極まりないのではないかと思うのです。
と言いますかね。 生の白トリュフの芳醇な香りを嗅がされるというプレゼンテーションの前には
とても抗えませんよ。 
自分の無力さを感じつつ¥8000を追加して、コースのパスタはトランペット茸から白トリュフに
無事(?)変更です。
この時点で¥35,0・・・・・・今お金の事を口にするのは止めておきましょう。 
涙がこぼれ落ちそうです。

本日いただいた料理のラインナップはこちらです。

 鰻のスモーク キャビア添え
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ストゥッツィキーノ(突き出し)ですね。 
鰻の香ばしさとキャビアの塩気がピッタリ合ってスプマンテとの相性も良いです。
薄い透明な飴のようなものは、ジャガイモから取り出した澱粉質を使ったものだとか。

 赤座海老のグルニード 
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殻の外からさっと火を入れてレア状態にした赤座海老です。 
下に敷いてあるフレッシュトマトのソース(フレスカの定番)や、オリーブオイル、西洋わさびと
合わせた海老のミソと共に食します。
しつこくない海老の甘みがとても良いです。 
甘海老が苦手な僕ですが、これは美味しかったですねぇ。

 フレッシュポルチーニ茸の炭火焼き 
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旬のフレッシュポルチーニの笠と茎の部分を切り分けて炭火で焼きまして、ソースには
卵黄とフォアグラを用いた逸品です。
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歯応え、旨みとも充分のポルチーニの下には贅沢なフォアグラソース。 もう、至福の時ですね。  
当然ソースは最後の一滴までパンでこそぎ取りましたです、ハイ。

 海の香りを少し 
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岩海苔がたっぷり入ったスープに浮かんでいるのは鮑の身と肝ですよ。
連続する贅沢感を楽しみつつ、新たな食欲も刺激される一品です。

 リゾットディマーレ アロマフレスカ風 
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ブルターニュ産ムール貝や蛸、烏賊、それに生雲丹など魚介類をふんだんに使ったリゾットです。
「これぞ、アルデンテ」という、お米の仕上がり具合が嬉しいですね。
信頼出来るシェフの手に掛かると苦手な烏賊、蛸、帆立などの食材も美味しく食べられるのが
不思議です。

 白トリュフとフォルマッジョのタヤリン (+4,000)
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本日のメインといっても過言ではないでしょう。 待ちに待った白トリュフの登場です。
最初に供された、フォルマッジョ(チーズ)のソースが絡んだタヤリン(=タリオリーニ@アルバ地方の細長い卵麺)だけでも充分美味しそうですよ。
その上に白トリュフがこれでもかと言わんばかりに削り落とされていくのですが、その光景を見つめる彼女の瞳が輝いているのが見てとれます。 
それだけでも頼んだ甲斐があるというものです、うむ。 ・・・と言うか改めて可愛いな、この娘。
・・・・・・コホン、失礼致しました。 味ですね、味のレポート。 判っておりますよ。
タヤリンにソースとトリュフをたっぷり絡めて口の中に放り込みますと、その芳しい事この上ない香りが口腔から鼻腔を、優しく蹂躙しながら突き抜けていきます。


えぇっと・・・・・・軽く昇天致しました。 

陶酔と覚醒を繰り返しているうちにアッという間の完食。 旨過ぎます。
勿論、ソースを最後の一滴までパンでこそぎ取りますよ。 
食べ終わっても暫くは、僕ら二人とも白トリュフの虜となっておりました。

 虎魚のズッパディペーシェ 
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虎魚(オコゼ)の身と肝をフリットしたものを、海老のエキスが溶け込んだサフランベースの
ソース仕立てでいただきます。
悪くは無いのですが、さすがに先程までの重量級打線の後では美味しさも霞がちですね。

 レモンとパッションフルーツのソルヴェ 
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前回同様、御代わりを所望したくなりましたグラニテです。 
キレのある酸味が口直しの役割を完璧にこなしております。

 シエナ原産”チンタセネーゼ”の炙り焼き 黒キャベツ添え 
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肉の上に載っている黒く大きな野菜はトスカーナ地方特産の黒キャベツを素焼きにしたものです。
さて、僕も初見でしたチンタセネーゼ種について、どういう豚なのかを少し説明致しておきましょう。 
首の周りに白い帯がある真っ黒な姿が特徴のこの豚を育てますのには、ほぼ自然と同じ環境
(=遊牧飼育)が必要だそうで、出荷まで3年半も掛かるそうです。
ですからその生産効率の悪さから一度は絶滅の危機に瀕していたと言います。
今市場に出回っている物は純粋種ではなく、交配した品種だそうですが、味は純粋種に
近いそうです。 その豚を炙り焼きにして塩味の効いたソースと共にいただきます。 
う~ん、肉質は柔らかいし、脂身は甘くてこれは美味しいですよ。 
確かに普段食べている豚肉には無い味ですね。

 野菜のココット(鳴門金時) 
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チンタセネーゼ種の肉の旨みを噛み締めておりますと、ココットが運ばれて参りました。
中身は鳴門金時(=薩摩芋)で、芋の中には八角が仕込まれております。 
これをチーズのソースでいただきます。
お、これは美味しいですよ。 鳴門金時の甘味を際立たせる八角、更にチーズソースの
コクと風味がこの品を「おやつ」から「料理」へと昇華させております。

さぁ、ここからが彼女お待ちかねのドルチェなのですが、どうも僕の「お好きなだけ」の認識が違っているようで4種類全部は提供していただけないようです。
こちらとしては美味しい白ワインで良い心持になっており、認識の違いを尋ねるのも面倒でしたので、あちら側のお任せで結構というスタンスを取りました。
僕と彼女に一皿ずつ、二人でいただく分を一皿という構成でチョイスする事にしたのですが、
次回訪問時は最初のメニュー選択時に納得を得られる回答を引き出す事にしたいですね。

 無花果のコンポート ライチのソルベ添え 
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本日のお勧めの品で、僕がチョイスしたのがこちらです。 
上品な甘さでコンポートされた無花果の下には微炭酸氷がシャーベット状で敷かれています。 
悪くは無いですが、正直に言わせて貰うと「ナイアガラのムース」の幻影を振り払う事は
出来なかったです。

 3種のチョコレートムース ヨーグルトアイス添え
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彼女がチョイスする事は容易に想像出来た一品です。 
ホワイトショコラ、ベルギー産ショコラ、あと一つは失念しましたがビターな感じのショコラという
3種の組み合わせの妙を楽しんでもらえたようです。
ドルチェを食べる時の嬉しそうな顔は、見てるこちらとしても微笑ましいです。

 栗のココット ココナッツアイス添え 
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出来上がりに少し時間が掛かると言われましたのでシェア用に頼んだのがこちらです。
個人的にはこれが一番美味しかったです。 深まる秋を感じさせてくれましたしね。
焼き栗の香ばしさとココナッツアイスの甘さの相性がピッタリで堪りません。 
これまたお代わりが欲しいくらいでした。

ここでコースの品々は終了ですが、カフェ、プティフール、お茶請けのビスコッティと、
サービスは続きますよ。
カフェは、僕が夏摘み(セカンドフラッシュ)、彼女が秋摘みの、トゥルボ茶園のダージリンティを
チョイス致しました。
それと共に、一口大の生ショコラとスプーンに乗せられたラズベリーが用意された
プティフールをいただきます。
ホッとしますね。 時間がとても緩やかです。


あ、そうそう。 ワインは今回、シャルドネ種の白のフルボトルで通しました。
チョイスしたのはワインリスト最安値(¥5,800)の
Castello Della Sala BRAMITO DEL CERVO Chardonny 2005です。
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スタッフの事前説明通りにドライな飲み口だったのですが、それは抜栓直後だけでありまして、
飲み進める毎に甘い果実味が色濃くなっていくではありませんか。
これが所謂、抜栓後に空気に触れてこなれてきたという状態なのでしょうか。 
これには二人して「美味しい」を連発です。 
僕らには充分過ぎるほど楽しませていただきました。


今回僕たちと同フロアで食事をされた3組のキャストの内訳は、
若い女性の二人組み、20代後半~30代前半の男性会社員3人組、似通った年代と
思しき男女4名の社会人グループ。
カップル(勿論擬似ですよ、擬似)は僕らのみでした。
正直に申し上げると若い女性の二人組み以外は、カップルで来店したお客さんにとっては
雰囲気を壊す存在だったような気がします。
熱を帯びてきた男性会社員3人組の会話から、僕らの耳に聞くとも無しに入ってくるのは・・・
・・・幕末の世を奔走した偉人たちの名前。
彼らの優劣を決めているのかどうかは判りませんが、雰囲気にそぐわないのでもう少し声を落としてもらって良いですか?
男女4名の社会人グループに至っては、所々ドッと大きな笑い声を上げております。
その際、僕の頭の中に一人の女性が浮かび上がりました。

アロマフレスカを利用されるお客さんの中には、その優雅な雰囲気や心地良いホスピタリティを
楽しみにされていらっしゃる方も少なくありません。
とあるBlogで拝見させていただいた神奈川在住の女性は、年に数回その雰囲気に
浸りたくて訪問され、その際はお店の近くのホテルに宿泊されるそうです
アロマフレスカで味わった満足感を壊さないようにする為、満員電車に揺られて自宅に戻る事
を放棄されているのです。
その方が昨夜同フロアにいらっしゃらなくて良かったなぁという事が、ふと僕の頭を過ぎったのです。

支払額は決して安くありませんし、思うように取れない予約をやっと手にしてお互い訪問している
訳ですから、非日常とも言えるこの雰囲気をゆったりと味わってみても良いのではないかと
思うのですがね。
勿論、必要以上に畏まる必要はありませんけど。
う~ん、やっぱりオッサン二人組みで訪問しなくて正解でした。


ゆったりとした雰囲気に身を委ねながら、ボトルに入ったビスコッティを食べながら話し込む
僕たち・・・・ってあれ? 前回もこのパターンでしたよ。 
ふと彼女の時計に目をやると・・・・・またまた23時過ぎ、今回は23時30分じゃないですか!
4時間を超えた滞在ですが、そんなに過ごしている感覚はホント、全く無いのですよ。
まさに快適過ぎるほどの異空間ですよ、こちらは。
彼女も充分に満足してくれたようで何よりです。 と言いますか、こちらで満足出来ないとなるともう、僕にはお手上げですよ。
さぁ、いよいよ支払いの時がやって参りました。 目を通した請求書には、

■ Menu Stagionale   ×2 = ¥27,000
■ 白トリュフ         ×2 = ¥ 8,000
■ グラススプマンテ     ×2 = ¥ 2,000
■ Castello Della Sala BRAMITO DEL CERVO Chardonny 2005 = ¥5,500
■ コペルト(パン代)     ×2 = ¥ 1,000
■ サービス料(10%)       = ¥ 4,350

〆て

¥47,845也。

・・・・・素晴らしい時間を過ごさせていただける良店ですが、さすがに今回は無茶をしたようです。
暫く大人しくする必要があります・・・と言うかせざるを得ません。 
財力的には死に体の状態です。 ははっ。 
次回の訪問は半年後ぐらいに設定しましょうかね。


アロマフレスカ
東京都港区南麻布1-7-31 Mタワー1F/2F
東京メトロ南北線 麻布十番駅2番出口より徒歩5~6分
03-5439-4010
18:00~22:30(LO)(要予約)
定休日 日曜、月曜
by mudaashi | 2006-10-26 23:58 | 食(麻布十番)


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